[ふと意識を失い、次に見た景色は明るい白。
それはコールド・スリープルームの天井だった。
産まれたての赤ん坊がゆりかごに寝かされているように、カプセルに入れられていた身体は、確かに実体を保っていた。起こしてみれば、いつもの寝起きのだる重さ。]
あれ、俺は死んだんじゃなかったのか……?
[靄のかかる記憶の中にあるのは、人狼に襲われた苦痛。そして、亡きはずの友イェンス。
しかし、そのイェンスの姿はどこにもなく。]
イェンス?いるのか?
お前は何か知っているのか?
[当然、数年前に死んだイェンスがこの船にいるはずはない。
しかし、頭の中には確かにあった、イェンスの共鳴もない_______]