[そうして、村に新しく出来た仕立て屋の扉を開けると、そこにいたのはまだ若い、自分よりも年下らしい女の子で、――面食らう。
町に行けば、お針子の女の子など珍しくないけれど。
てっきりレジーナのような中年女性がどっしりと構えているとばかり思っていたから、瞬きも忘れて見つめていた。
彼女の方も、こちらを見ていて>>25
しばらく、言葉もないまま死線が交錯する]
――…あ
[はた、と我に返り、彼女に語りかけた]
不躾にごめん。
あの、仕立て屋さんが新しく村に来たと聞いて。
ひとりで切り盛りしていると聞いていたから、思ったよりずっと若くてびっくりした。
この外套の補修を頼みたいんだけど、いいかな。
[手にした外套を彼女に手渡し、こことここ、と補修箇所を示していく。
営業スマイルの混じった笑顔に、穏やかな笑顔を返して]