[ 思考が壊れてゆく音がする。端から欠けて、ぼろりぼろりと崩れてく。それでも "まだ" 赤い聲が聞こえるうちは……。咄嗟にナイフを取り出して。その先で、自らの首を掻き切った。浅く浅く掻き切った。首の刺青を傷つけて、伝う赤。その痛みで、どんよりと濁った思考の泥沼を脱して。瞳の中に闇を落としたままに、立ち上がる。そんな危うい状態であったから、飴玉の欠片には気づかない。>>14 ]