[ 別に?という返事が返ってくるのは、おおよそ予測がついたけれど。>>4:325
船長のためだという言葉には、ほんの僅かに驚きの色を瞳に乗せて。
心にも無いことを言うゲオルグ鼻で笑った。>>4:329
赦してくれる、気もないくせに。
それでも構わない。
償い、というのは報われるためにするのではないから。 ]
………そうね、……そうよね、
[ふっ、と力なく微笑む。
その裡で、人間だったころの記憶が、泣きじゃくっていることは知らない。
差し伸べた手は、気付かれることなく。
罪を見続けて、生きているその赤い手。
でももしも、その小さな掌が。
その小さな赤い手が、こちらにむけて "また" 差し出されたなら。
赤かろうが黒かろうが、獣の手であったとしても。
掴み、きつく離さないでいようと、そう思う。 ]