[速度を緩め周囲を探る。 死角が多いのは、こちらも相手も同じこと。 ただし、相手にあって自分にないものは――] 耳か![普段は隠密を意識していない蟷螂にとって、鎖の音は些細なものに思えていたが、聴力に優れた者であれば、隠さぬままのそれは容易に探れたであろう。 気付き、顔を上げた時には既に、梟は無音のまま眼前へ迫っていた>>27]