[>>27返ってきた言葉から、発砲したのは大尉によるものだと知れた。]
…そうですか。
[こめかみの辺りを示す相手を見れば、男は僅かに眉間に皺を寄せ。
彼の言っている事は工作員としては正しい…のだと思う。けれど。]
……貴方には、そうしてでも手を取り合いたい相手はいないのですか。
[もう一人艦員の誰かを撃ったのではないか、という問いかけを向けるつもりだったのに口をついたのはそんな言葉だった。
男はそんな立場になった事はないし、そんな相手も家族以外にはいない。
けれど、愛する人を仲間に撃たれそうになった痛みはあの時の砲術長にはあったと思う。]