[寝袋に横になろうとして、いつも通りコインを取り出すと。それは僅かに光を放っていて。寝る、まじ即寝る、と思っていた目が、ぱっと開いた。震える手で、ボタンらしき部分を押す。耳をくっ付けて、しばし息を顰めていると、何かが聞こえた。――……声。ほんの微かな。懐かしい名前を呼ぶ声]