主は魔術を上手く使えぬと言うておったが、主の身に宿る力は膨大じゃ。それを使えばいくらでも魔術など使えるだろうに上手く使えぬ、ということは。おそらくは主の身の内、もしくは主自身が堰となっておるのじゃろう。[そういうと、男の胸に当てたままだった扇を己の手に戻して]