人狼物語−薔薇の下国

471 overlap memory/重なる絆(続)


新兵 カシム

――……そうでありますか

[ カスパルの返事は、カシムにはとても納得行くものではなかった。 ]

……『運命』でありますか

[ 『運命』という言葉を聴いて、やっとカチリと何かが記憶の底で一致する。
ふいに涙が流れ落ち、直ぐにそれは滂沱となる。 ]

自分は…、自分の『運命』は……
――…おそらく"見届ける"ことだと思うであります

もし、もし抗うのであれば、それはサシャ殿が生きていた時であったはずであります
もう、なにもかも遅いのであります……そう、この記憶さへも……

[ ぐしぐしと顔を拭い、目を真っ赤にしてカスパルへと敬礼する。 ]

サシャ殿の事、お答えくださり感謝であります!

[ これから宣言通りカシムは傍観者に徹するだろう。
……おそらくこれが『運命』であるなら自分はまだ死ぬことはない。

そう、二人に託されたものを渡すその時まで彼は『運命』に身を委ねる選択を取ったのだ。* ]

(29) 2017/02/14(Tue) 21:17:28

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