― 宴会場 ―[宴会場の扉を潜り、中をざっと確かめる。思った通り、さほどの騒ぎにはなっていないことを確認してから、鼻歌の元凶に一瞬視線を留めた。やはりというか既知の人物ではあったが、素知らぬ顔で視線を外して料理が並ぶ場所へ向かう。紅茶とケーキ二切れ、それとフルーツ盛り合わせの皿を手にテーブルに着き、喧騒を眺めながら食べ始めた。]