― 大地の精霊の領域 ―
[黄の渦を潜り辿り着いた先、そこは見渡す限りに巌の聳える荒地だ。
だが不毛な荒野ではない。吹き付ける砂塵、聳える岩石、力強い固き大地。
その全てが、盾よりも頑強な生命力と、剣よりも強靭な力強さを秘めた、大地の領域だ]
…… …… ……来たか。
[トオルが大地の精霊に溢れた黄の渦から現れた時。
アイルリートはその場所から少し離れた真正面の場所で待ち受けていた。
両拳のナックルには、大地の魔力が溢れて薄黄の淡い光を宿している。
大地の守護者として、黄色のマントに身を包むその姿は
例え小柄な体躯をしていても、それまで培われ続けた、孤高と貫禄に溢れた堂々としたもの]