でも……大切だった。そのままで、大切だった。だから……[手に掛けた彼の痛みと自らの痛みが共鳴して、想いが揺れる。もし、彼らが誰かを身代わりに生きることを選べたら?選んだら?違うと思った。そんな道を、彼らは選ぶことはないだろう] だから、お前の道は選べない。 違う。…違うんだ……。[結局相容れないと、また怒るだろうか。応えはない。彼にももしや、悲しませたくない人がいたのだろうか。そんなことを思いもするけど]