[しかし問われれば僅かに視線が泳ぐ。]
へっ?
いえ、かれが無事で、元気そうで良かったなと。
[それは真実思っているので嘘ではない。]
……シエルを教官のもとに連れて行ったり、魔法生物を捕らえたりした方がいいと思うんですが
あの高さの場所に行くのは、騎竜に乗るか、上昇系の術を使わないと厳しい、でしょうか。
[迷った末、彼や少女達に方策はあるか、と問うてみる。
周囲に来ていた彼の知り合いらしき生徒達―数か月前に次の過程に進んだので、修練生との交流は少ない―にも軽く会釈をして。
事態の収拾を図るには、シエルを教官のもとに送り届けた方がいい。
出来れば穏便に、かれの居場所を守れるように。
この場にいる生徒達は恐らくシエルの事を悪く思ったりしないだろうが、真実が詳らかになるまでは、シエルは対外的には迷子のままの方が望ましいのではないか、と。
先程のように、驚かせて誘導するのも手としてはあるが。
目の前で魔法生物を捕まえるのをシエルが見た場合の反応も気になるところではあった。*]