[そうして、クララに秘密を打ち明けられれば>>10>>11
――嗚呼、と、ペーターは思った]
…クララさん…。
[幸せなのだと、はっきりと彼女は言い切った。
強がりでも虚勢でもなく、ただ、それがわかった。
そうして、ペーターもまた、呼応するように、自らの秘密を少しだけ打ち明けていた。]
…詳しくは、言えないけれど。
僕や父さんや母さんがこの島に居るのは…居ないといけないから、なんだ。
僕はずっと、この島のために、自分を犠牲にしないといけないと思って……
だから、この島が嫌いだ。…嫌い、だった…。
[言葉の最後は、俄かに震えていた。]