『――娘、何の為にこの世界に呼び出されたかは聞いていよう?この世界は滅びる危機に瀕しておる。その運命を打ち破る為に其方達は呼ばれた。誰でもよいわけではないのじゃ。其方とこの世界には、前世に浅からぬ縁がある故に。』[数瞬の間の後、紡がれる言葉には子を思う母の慈愛に似た思いが込められている。]『――…流水の御魂を宿せし娘よ。どうか妾の血を引く子に力を貸してやっておくれ。』[凪いだ池の水面は濃い水の気を受けて瑠璃色に輝いていた。]