― 香草畑 ―
[村に点在する畑のひとつ。
見慣れぬ草花が揺れ、不思議な香り漂う一角が、オクタヴィアの管理する畑だった]
[村の一員として農業に携わることとなり。
それでも他とは少しだけ違うことがしたくて、両親から分け与えられた土地で始めたのが香草の農園だった。
薬草から日々の食事のアクセントとなるものまで、少しずつ種類を増やしつつある]
……そこに植えた種も、上手く育つといいんですけど。
[そう言って視線を向けたのは、数日前に種を埋めたばかりの場所。
行商人に頼んで仕入れてきてもらった、未知の香草だ]