― 王都・広場 ―ジル、か。[ああ、そうだったそうだった、と。告げられた名>>27ふわふわと覚束ない記憶の一か所に縛り付けて]ああ……ま、あいつの場合はな。民に生かされ、民を生かすために戦ったってのが根底にあるからな。[13年前、未だ少年の身で『黒狼神の加護』だけを後ろ盾に立ち上がり、内乱を制した事。その時の経験が行動の根にある、というのは、当時を知る者ならばわかるだろう]