― 幽閉場所 ―[小さき真白の妖精は、意識戻さぬ青年の傍で落ち着かぬ様相を呈していた。ちょこまかと動き回っては、きゅ、と鳴く。そんな仕種を繰り返していた所にかかる、声。>>26ふわふわした尻尾がしたぱ、と揺れて、こきゅ、と小さく首が傾いだ] 《……ピクシーのひと?》 《パッペル、言葉、わかるよ》[人の耳にはきゅきゅ、という鳴き声にしか聞こえぬ声が、幼い言葉を紡ぎ] 《……エト、どうするの? どうなるの?》[次いで、投げかけられるのは、不安帯びた問いかけ、ひとつ。*]