―談話室―
[ひとまず、パンと飲み物くらいの食事が並んだ。
食べられるかわからないし、食事作りに時間をかける余裕もない。
倒れない程度に口にすれば、それでいいのだから。]
(――何から話せばいいんだろう…?)
[今朝の「護れなかったもの」は、ヴァルターだった。
どうやら人狼が別のところ―恐らく村長の家だろうが―で襲った後、頭だけ宿に持ってきたようだった。]
(私達、人狼に弄ばれてるのかなぁ…)
[ヴァルターが襲われたことにより、彼が本物の占い師だったらしい、ということよりも、
どんなに酷い村長でも、場を仕切る人って必要なんだなって、今のみんなの沈黙を思えば強く感じる。
(村長、護るべきだったのかなぁ…)
[頭によぎるは、後悔ばかり。