[普段、身に付けもしなかったその銀色は、イトスギの小さな枝葉を模している。
哀悼と、そこに絶望まではいかない失望の意を添えて。
(それは先王に向けて、ではない。
ラメールという国に向けて、だ。)
中を隠すようにしていた布を取り払って、花束をそこに置けば、その身を翻した。
そこに誰かが現れていたとしても、俺は挑発的に笑って横を過ぎるだけだった。
誰かがいなくても、態々、そういう言葉を放るのだ。]
先王が心置きなく休めるような。
そのような国造り、御願い致しますよ。
[ぶわり、風に煽られて。
黄色の花弁が舞い上がった。
一つはカレンデュラ。
人に、それも死者の、況してや国王に贈るものではない。]