[それでも、そこまで言っても、アイリの意志は固く。
言葉を翻すことはないまま、黄色く輝く渦に向かって飛び込んでいった>>16]
ああ――わかった。認めさせてやるよ。
[実を言うと。
先の戦い、障壁が破れる様を見た時に、徹の心は少しだけ揺らいだ。
あの盾が壊れたら、鎚の一撃がアイリに届いてしまうかもしれないからだ。
でもそんな僅かな迷いも、このやりとりに吹っ切れる]
勝ちゃいいんだろ。要は。
[あれだけ滅茶苦茶を言われたのに、不思議と胸の内にあるのは怒りではないような気がした。
深呼吸をひとつして、気を鎮めると共に決意を固め。
渦の中へ消えたアイリの背中を追うように、大股に同じ場へ歩を進める。
大地の精霊に気付く余裕はなかったけれど、果たしてその反応はどうであったか**]