― 個別領域 ―
[ 長いながい眠りの間に、竜の記憶は混濁していた。
ぽっかりと穴の空いたように思い出せないこともあれば、ずいぶん前の事なのに昨日のことのような気がする記憶もある。
そして何より問題なのが、どの記憶が自分の記憶なのか、そもそも自分の記憶と呼べるものがあるのかが不明なことだ。 ]
前にも、こんなことがあったような気がすんだけどなあ…よく思い出せねえんだ。
[ けれど、メルヒオルに問いかけられて>>14浮かべる苦笑に深刻さは無い。
記憶があろうがなかろうが、今ここでやることは変わらないのだから。 ]