[…は初めて見る地下室への入り口を見て面食らったが、好奇心を刺激され、階段を降りるルートヴィヒに続いた。]
へぇ、教会の地下にこんな空間があったなんて知らなかったぜ。
前任者はお前以上のむっつりスケベに違いないや。
[葡萄酒のボトルを見るとヒュウ!と口笛を吹く。]
すげぇ、こりゃあどれも上物じゃないか。
『やぁ、君みたいな美人が同じ村にいたのに、いままで気づかなかったなんて。』
[…は芝居がかった声色と仕草でボトルにキスを送ってみせた。]
[ご機嫌な様子だったが、ボトルを両手いっぱいに抱えさせられ、手をつけないようにと釘を刺されてがっくりと項垂れる。]
おいおい、生殺しかよぉ。ちょ、ルートヴィヒ、そんなに持たせるんじゃねえ。重い重い。
[階段を登りながらカレルの歌声を聴いて、その旋律に耳を傾けた。]
[にやり、と笑う幼なじみを見て、安堵した。]
(ククク…。悪巧みするときの顔はガキの頃と変わってねぇな。いつも通りの食えない男に戻りやがった。)
ったく、人遣いの荒いやつだ。なぁカレル?