[多くの魔族は人よりもずっと長く生きる。
その価値観をも変容させる天使の飼育。>>14
その一端になり得る自覚を彼は持たず、口が吐き出すは主への賛辞ばかり。敬虔な物言いにまた咽喉が震えた。]
神とやらは偏屈な上に可愛げに欠ける。
そう、変わるのは君だ。
[並行を辿る論調は、彼との対話を愉しむ一時。
この忠節なる天使は、主神を侮ると怒気を増す。
半眼の色目が濃く変わるのは、黎明を観賞するようで悪くない。
神を敬うその身は、既に我が腕の中で在るというのに。]
随分と熱烈だ。
[薄く笑う唇は、彼の言葉尻を受け取り茶化してみせる。
肌で感じる敵意は、彼の拠り所。
縋る術も、奉じる神も居ない場所で、それでも高潔は明るい。]