――>>25のしばらく後/フレデリカ宅の玄関前
――見つけた。
[時は少しさかのぼり、唄いながら町を歩いていたゾフィヤは一人の能力者を発見した――それがエレオでなかった安堵感からか、逆に殺す事を躊躇う気持ちは全く沸いてこなかった。復讐鬼の役に入り込んでいたせいもあるだろう。
前フィオンやエレオノーラを襲った時がそうであるように、ゾフィヤは相手を見つけたら即殺す、といった事に向いた能力者ではない。一旦家まで跡をつけ、その後しばらく準備をする。
今、ゾフィヤの後方には家からは見えないようにゾフィヤが操ったただの人間が控えている。ちゃんと意識を保ち続けていればそれなりの時間操る事は出来た。
表面上は一人を装い、無理やり鍵を開けてしまうのではなく、素直にインターホンを押す。恐らく全員が寝たわけではなさそうだが……?]