―0日目・AM11:15・バルコニー―……ああ、そうだ。一報入れなきゃ。[割り当てられた部屋のベッドに鞄を放り出したところで、家族にも使用人にも合宿に参加すると告げずに家を出てきたことを思い出す。自由行動を許す代わりに所在地だけはちゃんと知らせるのが親との取り決めだ。最初に受け取った館内図を見ながら部屋を出て、目的地であるバルコニーに着くと先客の姿>>26に気が付く。エントランスで見かけた長身の男。音もなく相手の背後から近寄るとそっと声を掛けて]……こんにちは。同期の人かな。