私は父の遺志を継ぐ。 愛すべき地《ラモーラル》を、そこに住まう民を護らんとした父の遺志を。 彼らに如何に義があろうとも、民の安寧を脅かすならば、 その所業を許すわけには行かない。 私に力を貸して欲しい。 貴方方の力があれば、反乱軍になど決して遅れを取らない。 私に愛すべき地《ラモーラル》を護らせてくれ。[強く張り上げる声ではなかったが、喧騒の無い場所であるためにオクタヴィアスの声は良く通る。出陣前の決起集会と言うには静かなものとなったが、砦からの兵や上屋敷の守備隊は静の中にふつふつと熱気を抱き始めていた]