―ストンプ港―
うんっ、良い天気だ……!
[雲一つない群青色の空がストンプの街を染めている。
一羽の鴎がウェルシュの脇を抜け、その群青色のなかへと走っていった。
ウェルシュはヘーゼルの双眸を嬉しそうに細め、港を眺めた。]
この前作ってた巡洋艦の調子はどう?
ボイラー室をいつもより大きいんだ。
瞬間的なスピードは上がったけれど、全体的に小回りしにくくなっているんだ。
扱いには、少し気を付けてね。
…うーん、でもこれじゃ横方向に攻められたら大変か。
サイドスラスターをもう一つ付けてみても良いかもしれない。
[港にある新しい船を眺め、乗組員に声を掛けていく。
船を見る目つきは、まるで少年のように輝いている。]