― オプティモ・救護所 ―
[その後、地平に陽が沈む日暮れ頃に、男は救護所を訪れていた。
北の森林、南の山岳、古き民達も共に訪れている]
…そうか。処置の上では問題ないと。
やられたのが腕で良かった。
これで胴を穿たれていてはとても生きては居れまいだろう。
…全く、漸くこれから、融和から友好へ進めると云うのに。
その友人が潰れてくれては私も困る。
[飽くまで王国の利を見据える貴族としての言葉も多いに含むが。
経過は然程深刻でなさそうな事を理解して、安堵する様に頷いた頃。
救護所を纏める中年の女性に、『貴族様でもお友達でも、こんな団体で来るんじゃないよっ!!』と敢え無く放り出されてしまったのだが]