─ カフェ 店内 ─
[リヒャルトと共に赴いたカフェの中は、いつもの居心地の良いそれとは違う静けさだ。
だが、客が少なすぎるために注文後程無く届いたふわふわの玉子を挟んだこれまたふわふわのパンの香りはいつも通りで。
しゃきしゃきと瑞々しい野菜の歯応えも良く、昼食を食べ損ねていたお腹が徐々に満ちていけば少なからず心も落ち着くもの。
こんな時だからいつも通りにしているんだと笑う店主も交えて会話をしていると、彼女が来るまでの時間はあっという間だった]
クララ。
ちょうど今ね、美味しいムースがあるって聞いたんだ。
良かったら一緒に食べないかい?
[>>25恥ずかし気な彼女に、気にしないでと頭を振ってから誘いをかける。
胸元にある帽子には気付いたものの、彼女から返されるまでは促すつもりもない*]