― 第2エリア通路 ―
[大丈夫だよな、という問いかけ>>2:385 には曖昧に笑った。
それは見ようによっては、力ない笑みにも見えただろう。
今日の友が明日の敵……の言葉通りのことが起ろうとしているとは知る由もなく。
そして、彼の目をみて、逸らすことなく口を開き、言葉を紡いだ。
軋む胸は置き去りにして……感情を殺し、淡々と。]
[予想外、想定外、といった風に目を見開いた彼の顔。>>2:386
(そうよ、だから言えなかった。)
(……でも。)
遮ることなく、何か思案するような雰囲気で、話を聞いてくれるソマリ。
それだけで十分だ。
気を付けて?と、忠告さえ出来たなら……もう、それだけで。
頷いた彼を見て、ホッと胸をなでおろす。
隠していたことを吐露したことで、肩の荷が降りたような気分になった。
他の実験体の末路、……その映像を見せられたことがあったから、いつ、自分がああなるのかと、不安で眠れない夜を未だに過ごすこともある。
だから。
……ようやく解放されるのだ。]