[手の上に乗ったのは、掌を覆うほどの大きさの水晶のような塊>>25。青銀色それはまるで老竜の瞳のようだった] これは……。[老竜の言葉を聞き、男は彼女の顔を見上げる。開かれた瞳は片方だけ。掌に乗せられたものがなんなのか、男は直ぐに理解した] ディルドレ老……! ……売るだなんてとんでもない。 大事に、使わせてもらう。[如何に価値があろうとも、これは売るべきではない。老竜の想いが籠もったもの。使うかどうかは別として、これを受け取る意味を男は薄っすらと感じ取っていた]