今、この城に、貴方に相応しいものが訪れています。 吸血鬼と、人との間に生まれた鬼子です。 行ってご覧なさい。 あのものの血を全て飲み干したなら、 貴方はまたひとつ、私たちに近づくでしょう。 口を開けてごらんなさい。 私からもひとつ、貴方に贈らせてください。 貴方の力になるでしょう。[促して、彼女の上に手を翳す。乙女が口を開けば、白金のナイフで突いた指先から浮かんだ紅の珠がひとしずく、彼女の舌の上に零れ落ちるだろう。]