[ この先は、ナイジェル軍団とは別行動となる。
即席の砦/関所には、いささかの食料──塩漬け魚の樽などの重量物と旗指物と若干の伝令兵を残した。
街道を進む本隊の先頭はレオノラが指揮する騎馬弓兵隊《六月》
続くは歩兵隊《竜骨》
長弓兵隊《氷雨》は弓の先端に、風になびく細長い布を結んでいた。風を読むためのものだが、どこか祭りめいた華やかさをまとっている。
司令官のタイガは歩兵隊《狼牙》と共にあった。青鹿毛の軍馬に跨る姿は護衛兵に囲まれてはいても、その人ありと喧伝するようなオーラを発している。
その後をついてゆく工兵隊《双六》が伴う箱方の連弩は長櫃のようで、商隊か花嫁行列に見えなくもない。
大街道の左右の平原には、ふたりの軍団長が管轄する騎馬隊が散っていた。
遠目には大軍団に見える効果も期待できよう。*]