アデル。俺はだな。……察するのが苦手だ。
[小さな囁きを受けて、きっぱりという。]
だが自分を示すことならできるだろう。
それをもってわかりあうとまでいけるかは知らないが、自分を示す度胸もないものに相手を知る価値もない。そう思わんか?
[盟約について、詳しくは知らない。ただそれはアデルだって同じならば、やっておくべきことだと思ったのは偶然にも、舞踏会が求めることと同じ行為]
相棒とはいっているが、まだほとんど知らんわけだしな。
[未だ竜の姿のほうも知らぬのだ]
皇玉の座と先ほどいっていたな。相当強いのだろう。だが俺にとって必要なのはそこではないしな。
[理解しあえないそぐわない面があるのかもしれないが、そんなものは生きてきて今更だ。明るくも暑苦しく笑う男は、その点において達観もしていた]