もし、完成したら……。
ちょっとだけでいいから、見てくれますか?
[見てくれる相手がいなければ、飾るという行為は意味の半分以上を為さなくなる。
そんな思いが選ばせた言葉がこれだった。
やがて降り始めた雪を遠景に、
店を出て行くシモンとニコラスを見送ることになる。
シモンには薪の礼を言い、伝言を記憶に留めて。>>0:313
ニコラスには編みまくったうちのマフラーを一本渡した。>>10
どこまで外套の代わりになるか分からないけれど]
ええ。風邪をひかないように、お気をつけて。
[祈るみたいに組んでいた両手を解いて手を振って、見送った*]