[仕方がないので、わたくし軽く飛んで頭上の木の枝を掴みましたわ。それを支点にくるりと半回転すれば、ほらもう枝の上。
ロングスカートは、もちろん乙女ですから、はだけたりなんかしませんわよ。
少し…傘が当たって裾が汚れてしまいましたけれど。]
ふふっ。これくらいは乙女のたしなみですわ。
[くまさんの誤解を解いて差し上げてから───だって、本当のことを知られてしまったら、地獄の果てまでも追って行って息の根を止めて差し上げなくてはならないんですもの─── 落としてしまっては困る紙袋を木の股に立てかけました。
それから、左右の袖の中から細身の投げナイフを4本ずつ、しとやかに抜きました。]