[他にも同日で数名が着任しているという。
そのうちの一人とは、知らぬ間に廊下で擦れ違っていた。>>10
その時のドロシーはちょうど荷物を抱えていて
どこかへ向かう途中らしき青年の通行を阻害しないよう
脇へと数歩ずれ待機していたのだが。]
…………。
[不躾にならない程度の視線を去る背に送る。
どこかで会っていただろうか。
これでも職務柄記憶力には自信がある方だったのだが、
いったいどこで見かけたのか。
記録官として渡り歩いた基地のどこかだろうかと
記憶を探るもののどうしても思い出せない。
首を傾げながらも肩から落ちかけた荷にはっとして
まずは自室へと荷物を置きに行く事にした。]