― 村に至る山道の途中 ―
[フリーデが駆け寄る前>>22。鞄の上に座る人物の細い指が
土に触れ、何かをしているように見えた>>23。
「撫でてもいいか」の問いかけに、
真白の犬は、「ワン!」と一声小さく応え。
見上げる瞳を輝かせていっそう嬉し気にしっぽを振る。
女性としても、やけに華奢な腕。
どこか違和感のある動作に目を留めつつ、男も彼女に歩み寄った]
縁があるならか。そりゃ、真理だな。
この山道をまっすぐ登って…何処へ、行こうとしてるんだ?
[それは、男が聞いた例の村へのルートと同じような。
向けられた笑みに、ひょいと片眉をあげて同意を示し、
僅かな苦笑の滲む表情で見下ろした]