[成績優秀。人当たりもよく、教師からの信頼もそこそこ厚い。
校内では優等生で通っている自分が、派手な外見から一目おかれている炉の目付役を自ら買って出たことを。
おそらく彼は、知らないはずだ。
素行や口調はよろしいとはお世辞にも言えないが、授業にはちゃんと出ているし、真面目に部活動に取り組んでいた一面もある。
けれど、どこにも見た目で判断する輩というのはいるもので。
修学旅行の日程が近づいた頃、問題を起こさなければいいが、と通りがかった職員室で話している声が耳に入ってしまい。
その言いぐさに、カチンときて。つい、言ってしまったのだ。
――それなら俺がついてますから、と。]