― カレン・港 ―
[真鍮を水に溶かしこんだような、淡い金色の髪をした青年が一人、港で物資やら船やらを吟味していた。
船の見張りか、騎士団の下っ端か。よほど職務に真面目らしい男が一人、青年の肩を掴み、その成りを問いただす。
魔物と戦闘しているのだから、どこか気に成ったら声をかけるのは当たり前なのかもしれない。]
ふん、これでも一応商人なんでね。
邪魔をしないで頂けるかな、下っ端諸君?
[するりと取り出したのは、商人ギルドの会員証。
勿論、持ち主から金で買ったか、奪い取ったか。本来の持ち主が誰だったかどうなったかも覚えていない。
鼻で笑ってわざとらしく手を払い、一人街の入り口まで歩いていく。]