[ 長袖の上からユーリエの腕に牙を立て、 血を啜った魔コウモリは、 しかし次の瞬間、悲痛な叫びを上げながら転がり落ち、 地面でのたうった。 ……まるで、聖水でも浴びたかのように。 ] ……豚ですら、 毒のある草を見分けて、食べないわ。[ 身動きのせいか、首元の白いスカーフがずれ、肌が覗いている。 ] 魔物というのは、豚以下なのね。[ ユーリエの首元には、牙の跡がいくつもあった。 ]