―少しだけ先の未来・AM11:00・第二講義室―
[───その年の入学生にスムースコート姓の子供はいなかった。合宿に出た者の中では不審に思った者もいたかもしれないが、新生活の多忙の裡に埋もれていく程度の小さなものだ。
だから、さほど高くない背が姿を見せたのは一年次における必修講義のひとつ]
防衛術教官、ヴェルナー・スムースコートだ。
貴様らヒヨッコが戦場で無駄死にせんよう、基本の心得を叩き込む。
心して着いてくるように。
[見回した講義室の中にはあの合宿で顔を合わせた面々もいるだろう。背筋を改めて伸ばし、後方まで届くよう声を張った**]