― 回想 ― 一周回って懐かしい、か。[瞬時、複雑な色をめぐらせたシロウへ向け、ゲオルグはといえば穏やかな笑みをみせた。そうだなと応じる声の色は深い。オルヴァルが滅んでから程なくして、かの国の優秀な軍人も帝国軍に組み込まれたと聞く>>1:322そこに彼の名のあるを知り、やがて傭兵部隊としてもモルトガット帝国艦隊との交戦が増えるたび、そして近い将来のかの国との戦いを予想するたび、…───もう、覚悟は出来ていた。また会おう。いつか、海風が誘う先で、と。約束交わした戦友《とも》との再会の場が、戦場となる可能性を>>2:43]