[かなりの時間睡眠に費やしたようだ。
起き上がり、傍らに居てくれたアレクシスに礼をすると、ふと思い出す。]
…確か今日は、地上から更に殉教者や聖者がやってくる日…でしたよね…。
[気まずい雰囲気を断ち切るようにひとつ咳をしてから尋ねる。
オクタヴィアは死する際主の手により単独で昇ったが、普段ならば光の箱舟に運ばれて昇ってくるという。
既にここで生活している自分が行き迎えた方が何かと利便が効くだろうと考えていたが、数々の騒動により頭から抜け落ちていた。
それに霧がどうなったかまだわからない。天使長クラスの人間に尋ねなければ。]
確か正門を抜けた先…でしたよね。はやく行かないと。
アレクシスさまは?
[アレクシスの資質は宮殿の奥の方に位置する為やや遠いが、眠ったお蔭で体力は回復していた。
靴を履き直し彼に問う。]