― 濁流の谷間 ―……さて、それではそろそろ行くぞ。[休息を経て、かけた号令はやはりどこか軽いもの。先とは違い朱翼は畳む事無く具象したまま、道を行く]…………。[進むにつれて、表情に宿るは険しさ。高まる水気と陰気は、何かよからぬものの感じさせる。それが何か、と。思案巡らせるのと、奇妙な鳴き声が響いたのはどちらが先か]