はい。デズモンドはあたしの祖父です。
リーゼロッテ・チェンバレンと申します。
[ 悪い人では無さそう──と第一印象を抱いたのは
ここ数日の、街中での混乱や騒動、
王宮での張り詰めた空気、を嫌ほど味わった故
ほんのすこしだけ、こちらの表情も和らぐ。
吟遊詩人が祖父の在りし日のことを語るなら
目を細めて、それを聞こうと。 ]
祖父のことが聞けて、嬉しいです。
軍にいる間のことは、あまり知らなくて。
祖父は……間違いを嫌う人だった。
まっすぐな、ひとだった。
あたしも、それで子供の時何度も叱られたの
[ ちいさな嘘も、見過ごさない彼を。
嗚呼、そうよ。今でも、尊敬してる。 ]