[腐臭が立ち込める空間の、どこかの神を模したと思われる像の足元に、二人…攫われた少年と攫った男は存在し。
憔悴しきった少年に外傷はなく…粗末な作りのものなのだが、着飾らせられているという事は伺える。見様に寄っては神に仕える者のようにも見えるだろうか。
そして、その少年に縋るように祈り続ける男の姿。
男は踏み込んだ者達に取り押さえられ、少年は無事とはいえない精神状態であったが救出される事となった。
当時の新聞を読んだのなら、その記事を目にできるかもしれないし。
死人が絡んだ自体故、一連の件で埋葬に任にあたった者や、彼らから事件の話を聞いたものは少年の名前を知っているかもしれない]
―― とある街を騒がせた事件・了