嗚呼、そうでしたね。
貴方はそういう方でした。
[心当たりのある様子に呆れた声を零すも、それが血を拒む彼の息子だと言うことは理解している。
彼を取り戻しに来たのだろうか。
それにしては随分と本格的だと、冷静な頭が壁を乗り越え、門を切り開いて行く者たちの姿を追いながら考えている。]
好きに、ね。
その言葉、忘れないでくださいよ?
と言っても、私は戦闘向きじゃないですが――ねっ!
[城の主が先陣を切るのはおかしい。
弟君は彼の安否が心配だろう。
それならばと、ひらりとバルコニーを飛び越え、二階から飛び降りた。]