[クレステッドにとっては、これが初めて天の結界の外に出る仕事になる。多くの天使が人間界と関わり、あるいは魔族との戦いに身を置く中、どういうわけか、内勤ばかり歴任してきたのだ。適性がないとも思えないのに、不思議なことだとは感じていた。痛くもない腹を探られることはあったが、クレステッド自身は、与えられる職務に異論を唱えるでもなく、真摯に尽くしてきた。秩序を守る天使の資質そのままに。]